【Part 2】

 CBRの具体的な実践は、地域社会の文化や自治の程度などによって異なります。しかし、基本的な考え方は、共通しています。

CBR成功の鍵

 CBRに於いて重要なことは、継続することです。常に外部の支援を必要としているプロジェクトは、その支援が無くなった時点で活動が停止してしまいます。継続した活動として定着するためには、地域の人々にとってCBRが「自分たちのものである=主体化」という意識を持つことが必要です。 もし地域の人々が「やらされている」と感じていれば、主体的に活動することはないでしょう。問題を見つけ、目標を設定し、解決法を考え実行し、再評価するというプロセスを全て自分たちで行って初めて、その活動が主体的に行われていることになります。

CBR推進の方法

 NGOなど地域社会に属さない第3者にとって、「CBRを推進する」ことは、「主体化をどう支援するか」ということです。主体化を支援する方法に、「啓発」「地域社会の組織化」があります。

「啓発」とは、現状を分析し、自分自身で問題を認識し、とるべき行動を自ら発見していくことを支援することです。これは、知識を持っていない人に専門家が現在存在する問題を説き、なすべきことを指導する「啓蒙」とは異なり、問いかけや議論を通して一つのものを作り上げていくことです。例えば、ある人はAさんが障害者であるといいます。しかし別の人は、Aさんには収入もあり、メードも雇っているので障害者ではないといったとします。すると、障害者とはどのような人を指しているか議論することになり、その結果、人々は共通認識を持つことができます。また、ある人の困っているものが明らかになったとします。このときは、解決に向けた方法を考え、実行するための優先順位を議論します。このような<人々が自ら考える>過程を経ることで、自分たちで問題を抽出し解決する能力を向上させることができます。

「地域社会の組織化」とは、地域社会が行動するために、より連帯を強化し、より自立したものにすることです。例えば、CBR委員会(*)を村単位(または、各地区)ごとに組織します。そしてこのCBR委員会が、CBR展開の核になります。NGOなど支援団体は、この委員会を対象に、CBRを担っていく上で必要な管理運営や評価に関する研修を行いなす。終了後、CBR委員会が、その地域で行うCBRとしての具体的な活動を決定し実行します。そしてこの活動は委員会自身によって再評価されます。さらに各村のCBR委員会合同の評価会議を行います。
 具体的な活動の決定においては、「必要であること」以上に「できること」からはじめることが重要です。なぜなら、地域社会の能力を超えた活動は、結局外部への依存を高め、「主体化」から遠ざかってしまいます。「地域社会ができること」を高めていくための支援(研修など)もNGOには必要と考えられています。また、既存の医療的アプローチにとらわれないことも必要です。例えば、身体障害者の場合、身体障害に対する機能回復訓練は重要ですが、それが本当に現段階の地域社会にできるか、家族に対する支援など地域社会に可能な他の方法がないか十分検討し決定します。このため、障害者自身がCBR委員会に参加することが重要なことです。

 一方、CBRを維持していくためには、資金調達の戦略を練ることも、大切なことです。開始時には外部からの特別な資金があったとしても、徐々に地域社会自身で確保しなければ、外部資金がなくなった時点で活動が中止してしまいます。資金集めの例としては、その地区で健康保険のようなシステムを作ったり、市町村の予算として組み入れたり、寄付を集めたりします。

(*)CBR委員会:
CBRを推進するための組織。メンバーは、障害者やその家族、村のリーダー、婦人会、ボランティア、地方中央の役人、施設の専門家など

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